8月15日、

いよいよ『
キャデラック・レコード~音楽でアメリカを変えた人々の物語~』が封切りになる。
ご存じのように、これは、シカゴにあったチェス・レコードの物語を“下敷き”にした映画。
キャディラックという車は成功の証だ。
オーナーのレナード・チェスは、田舎(アメリカ南部)から大都会シカゴにやってきて
ヒットを飛ばしスターになっていくブルースマンに
キャディラックを買い与える。
下敷き、と書いたのは、ドキュメンタリーではなくて脚色されているから。
そのあたり、コアなブルース・ファンだと、イライラするところもあるだろう。
レナード・チェスと
ビヨンセ演じるエタ・ジェイムズが・・・
こんな立派なスタジオだったのか?
こんなマイクとアンプあったのか?
マディが、いいヤツすぎないか?!
ビーチ・ボーイズの件はそれでいいのか?
ツッコミどころはいろいろあるが、それを抜きにしても
ぜひ、ブルース・ファンには観ていただきたいっ!
以下ネタバレあり。
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ストーリーは、ポーランド系移民(もちろん白人)のレナード・チェスと
マディ・ウォーターズの友情物語をベースに進んでいく。
しかし! もう一人の主役は、間違いなくリトル・ウォルターだ。
若造がシカゴにやってきて、いきがって吹きまくり
やがてヒットを連発し、キャディラックを与えられる。
しかし・・・である。
短かったブルース全盛期、押し寄せるロックンロールの波、
私たちの好きなブルースが華だった時代が
いかに短いものだったのか。なんか胸が痛む。
ロックンロールの波にも
イギリスのロック・ブームにものることはできなかったが
リトル・ウォルターの人生は、そうした歴史そのものだったと
改めて確認する。
・・・・死んだとこは、泣けました。
そうそう、
ドアを全部とっぱらったキャディラックに乗ってたエピソードは
ちゃんと描かれていたよ!
こういう、マニア心をくすぐるシーンも
あるから、油断できない。
このあたり、知名度は低いけど、もっと強調してもよいのではないかしら。
ハーモニカ・ファンは観るべし!
影武者キム・ウィルスンは、やはり(よくも悪くも)上手すぎ!
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サイコーに興奮したのは
マディとウルフが同じ画面の中にいる場面!!
想像するだけでエキサイティング!
マディはスマートすぎるけど
ウルフは、垢抜けない感じや
ガタイの傾き具合とか、よく研究されてたなぁ。
だからこそ、ヒューバート・サムリン(!)が
マディ・バンドに一瞬引き抜かれるところなんか
ブルース・ファンなら、ほくそ笑んでしまうにちがいない。
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ロック誕生前後を描いた教科書としては、わかりやすい。
ただ黒人はどういう状況に置かれていたのか
シカゴはどういうまちだったのか
そしてロックはどうやって生まれたのか。
一般の人が観るときには、
やはり、アフリカン・アメリカンならびに、ブラック・ミュージック史を
少し頭に入れておいたほうが、楽しめるだろう。
私はどうしてもブルースマン寄りで
観てしまうが
誰に感情移入するかで
かなり印象の変わる映画かもしれない。
そういう意味では、映画の中にも
「196×年」といった、時系列を示す表記があれば尚よかった。
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知名度でいったら、ビヨンセがダントツだろうが
確かに、彼女は上手かった(製作総指揮にもクレジットされている)。
エタ・ジェイムズではなく、
ビヨンセとして存在感を出したところは、さすがである。
名曲“I'd Rather Go Blind”は、ストーリー抜きにしても、やはり、ぐっとくる。
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しかし、こういう映画の場合
一人で試写会というのは、ちょいと寂しい。
ジミー・ロジャースも実名で紹介してよ!とか
どれがエイシズだろうとか
この後、マディは若い嫁をもらうわけだが、とか
映画の最中、ホントはぶつぶつつぶやきたかった。
いや、大いにノリたかった。
終わってから、あそこはどうなの?と、いろいろ語り合いたかった。
逆にいえば、久々に想像の限りなく広がる音楽映画。
ぜひぜひ、ブルース(ロック)好きな友人とご覧ください。
サントラ(音楽プロデュースはスティーヴ・ジョーダン)も出ています。
2枚組と1枚ものがあるけど、ここはやはり2枚組がオススメ。
原曲を集めた「
ベスト・オブ・チェス・レコード~キャデラック・レコード・オリジナルズ」
というアルバムも発売される。
8月15日ロードショー。
東京:新宿ピカデリー3、恵比寿ガーデンシネマ